雲一つない晴天。その空を、鳥達は自由に羽ばたく。

穏やかな風が吹くと、緑が揺れる。
風に揺れ、彩りどりの草花が甘い香りを漂わせる。


ある木々の下、横たわる木に座る4人の姿があった。


 「うぅ…」

眠っていたシュウは、天から注ぐ、暖かい光に照らされ、目を覚ました。


 「おはよう、シュウ。」

まだはっきりしない頭で、ここがどこだったか確認していたシュウに、声をかけた人物。



 「?ぁ、ルリ、おはよう。」

大分起きた頭で、その人物を確認。
そして辺りを確認。



燃え尽きた薪。
横たわる木に座る2人。


いつの間にか寝てたんだな…


近くに立てられた、大きめのテント。


せっかく張ってくれたのに…



そんな事を思っていると、


 「クスッ…」

笑い声がした。

声のする方へと目をやると、微笑むルリの姿が。


 「?」

 「ごめん。寝ぼけてるのかなって。ボーっとしてるから。クスクスッ…」


まだ笑い続けるルリ。

そんなに可笑しかったのか?


そういえば、初めて見るな…ルリの笑顔。


怒った表情や、悲しい表情しか見た事なかったから…


右の口元に、はっきりと浮かぶえくぼ。

口に手を当てて、遠慮するように笑う彼女。

なんだか、可愛らしくて、あの淡いピンク色の花が、凛々しく揺れているようだった。


彼女の笑顔を見ると、こっちまで笑みが零れてきて…


 「ハッ…ハハっ…」

 「クスクスッ…」


静かな朝、2人の笑い声が響いていた。