「どうして……」


ローランは男の子のように振る舞う経緯を訊こうと口を開いたが…



 「…それ以上…言うな…」


いつの間にか彼から離れたマーガレッドは、顔を伏せ、唸るようにそう言った…


 「それ以上言えば……ローランでも……」


 「…わかってるよ…」


 「……」



マーガレッドの様子を見て、ローランは訊き正す事をせず、先へと歩きだした…


そして、後ろに佇むマーガレッドてと言うのだった。


 「着いてきたければ、着いてくるといい。お前の好きにしろ。」



その言葉に、顔を伏せていたマーガレッドは、いつもの何かを企むような表情に戻り、先へ進むローランの後を追うのだった…




女の子らしい…

可愛い…


この言葉は、マーガレッドに対して使うべきではない言葉…


禁句の単語なのである…



この先、ローランは、彼女にそれらの言葉を使う事はないだろう…


彼女の力は、彼自身よく知っている…


彼女の怒りを買えば、いくら命があろうと、足りないだろう…



暗闇の廊下の中、2人の姿は消え、冷たい風が吹き抜けた…