ユラユラと揺れる真っ白なカーテン。
爽やかな風が、大きな窓から部屋へとやって来た。



その窓辺に立ち、空を見上げる女性。

窓から入ってきた風が、彼女の金色の髪をなびかせる。



すぐそこにあるかのように見える、オレンジ色の眩しい太陽。

その太陽を見つめる彼女の瞳は鋭く、瞬きすらしていないように見えた。



 《強力な闇が、現れたようです…》

 《闇、ですか?》


彼女の後ろ、部屋の入口付近にいる少女。短い髪を耳にかけたその少女が、眉を潜める。



 《主の数が減ってきている。これも、その闇の影響でしょう…》

 《確かに、主の数は日に日に減ってきています。それ程の闇が、現れたと言う事なのですね…》


金色の髪の女性は、コクリと頷く。
高貴そうな髪飾りが、頭の上で揺れた。



 《…時が、近づいているようです……戦いの時が……》

 《ならば、光が…》

 《えぇ。希望の光を持つ者が、この世に生を受けた。闇に打ち勝つ、希望の光が…》