「まぁな」

「私、大好きなんだけど、成田くんは?」

「ん?」

「どう思った?直子の事」

「どうって、別に」

「でも、楽しそうに話してたじゃない」

「そりゃまあな。あんたが連れて来た人、邪険に扱うわけにもいかねーだろ」

「え?」

「作詞家の先生の機嫌損ねちまったら、損するのはこっちだからな」

「…。そんなこと考えて、直子と話してたの?」

中里は食べる手を止めて、情けなくなる気持ちを押さえながら、成田き聞いた。

「…多少な」