ＬＯＶＥ ＳＯＮＧ

「っ！」

中里は一瞬目を見開いて、首を回して、その男達を目で追ったが、すぐに前に向き直った。

「知ってる人？」

と、前迫。

「うん…」

「そりゃまあ、知ってるよな。同僚だったんだろうし。あ、もしかして、あの中に別れた彼氏がいたとか？」

前迫は楽しそうな顔で中里を見た。

二人の前の席に座って何気に窓の外を見ていた成田は前迫のその声に、窓の外を見るのをやめて、前を向いて寝る態勢を作るように腕を組んで目を閉じた。