LOVE SONG

前迫は席を移動するために立ち上がった。
中里も前迫に言われたように窓際に寄った。

「前は普通のOLやってたんだってね」

中里の横に座りながら前迫は中里にが尋ねた。

「うん」

「事務?」

「そう」

「何て言う会社?」

「名前?えっと、あ、あの会社」

丁度移動のバスが元いた会社の前を通りかかったので、中里は窓越しにその建物を指差した。

「へ〜。なかなか立派な建物じゃん」

「まあね」

二人で会社を見ていると、中から若い男が三人出て来た。