LOVE SONG


中里は事務所に戻り、いつもの如く、会議室に行き、CDデッキに成田から預かったCDをかけた。

「え?」

流れてきた音に中里は思わずCDデッキを見つめた。

ガンガンのロックを想像していた中里の予想とは裏腹に、CDデッキは、優しいギターのバラードを奏でていた。

「…」

中里は、椅子に座り、目を閉じ、曲が終わると、ゆっくり目を開けた。

「…人間、素直じゃなきゃ嫌われる、か…」

中里は深呼吸をすると、立ち上がりもう一度曲を流した。