LOVE SONG

成田は、最後は半笑いで中里に振った。

「う、うん」

中里は成田が妙に堂々としているので、その勢いに押されて思わず頷いた。

「それは失礼。では、『ハイポーズ』」

と、カメラマンの男が声をかけたので、そな瞬間反射的に、成田と、中里はカメラに向かってVサインを出していた。

「…写真撮ったら用はねぇんだろ。あっち行ってくれよ」

「ああ、どうも」

と、言い残すと、男二人は飲んでもいないコーヒーの代金を払って出て行った。