LOVE SONG

中里が帰ろうと歩きだそうとした時、後ろから走って来た人にぶつかった。

「いたっ」

「あ、悪い、すみませんっ」

ぶつかってきた人が焦った様子で謝ったので、中里は、その人を見た。

「成田くんっ」

ぶつかってきたのは、成田だった。

「あ、中里っ。丁度良かった。助けてくれ」

成田はそう言うと建物の陰に隠れた。

「え?何何?」

何がなんだかわからない中里がキョロキョロしていると、

「ジューザー!!」

という黄色い声が聞こえてきた。