LOVE SONG

「何言ってんのよ、自分は結婚するくせに。…それに、私のは、ただの片想いだから」

「あら、そんなはずないよ。成田くんだって、絶対、哀華の事好きだって」

「…そうかな?」

中里は、先日会った喫茶店での成田を思い出していた。

「だって、私と話してる時でも、哀華の方、チラチラ見てたもん」

「この前?」

「うん。だから、もう付き合ってんのかと、思っちゃったもん」

「付き合えてなんかないから」