LOVE SONG

「ベタボレね」

「当たり前よ。惚れなきゃ結婚なんてしないわよ」

「そりゃそうだ」

「結婚したら会社辞めて主婦業する事にしたから、ちょっと世間から置いてかれそうで、それだけが、ちょっと怖いんだけどね」

「あっ、仕事辞めるの?」

「うん、彼がそうして欲しいっていうから」

「…へぇ、そうなんだ」

直子の話にどことなく相槌の声がトーンダウンした中里の様子に気付かず、直子は続けた。