あまりの速さに春木は疑いの眼差しで中里を見た。

「本当にもう出来たのかぁ?」

「はい、見て下さい」

「どれどれ」

春木は渡された原稿用紙に目を通した。

「…」

「…どうですか?」

中里は恐る恐る春木に尋ねた。

「んー。…いいんじゃない」

「本当ですかっ?良かったぁ」

中里はホッと大きく深呼吸した。

「CityNoiseの詞を書いてる事が勉強になってるか、はたまた、恋をしてるかだな、この詞は」

「へ?」

思いがけない春木の言葉に中里は思わず素っ頓狂な声が出た。

「なんだ、『恋』の方が当たりか?」