「…自分を責めないで」
『えっ…』
思いがけない言葉に俺は固まる。
「伊藤くんが自分を責める必要無い。確かにあそこでボールが届けば勝てたかもしれない。でも、それは言い方は悪いかもしれないけどしょうがなかった。」
『でも、俺があの時…』
また思い出して悔しさが込み上げて来る。
でも……
「伊藤くんが自分を責めたら、今まで伊藤くんを信じてついてきた部員や、怪我をしたキャプテンまで責める事になっちゃう。皆それぞれ悔しい思いしてる。でも、私は見て来たもの、皆がずっと頑張って来たの」
一生懸命、ほとんど息つぎもしない位に言ってくれたお前の言葉。
そうなんだ。
ずっと頑張って来たんだよ。
だからこそ悔しい…。
「私は忘れないよ。今日の伊藤くんの、皆の姿」
『っ…!』
お前の言葉に抑えてた感情が膨らんで我慢出来なくなる。
そんな俺に気付いてか、正面から隣へとお前が移動する。
それを合図に俺は声を出さないようにしながらも思い切り泣いた。

