ジューンブライド~過去の恋との決別~


「…自分を責めないで」

『えっ…』


思いがけない言葉に俺は固まる。


「伊藤くんが自分を責める必要無い。確かにあそこでボールが届けば勝てたかもしれない。でも、それは言い方は悪いかもしれないけどしょうがなかった。」

『でも、俺があの時…』


また思い出して悔しさが込み上げて来る。

でも……


「伊藤くんが自分を責めたら、今まで伊藤くんを信じてついてきた部員や、怪我をしたキャプテンまで責める事になっちゃう。皆それぞれ悔しい思いしてる。でも、私は見て来たもの、皆がずっと頑張って来たの」


一生懸命、ほとんど息つぎもしない位に言ってくれたお前の言葉。


そうなんだ。

ずっと頑張って来たんだよ。

だからこそ悔しい…。


「私は忘れないよ。今日の伊藤くんの、皆の姿」

『っ…!』


お前の言葉に抑えてた感情が膨らんで我慢出来なくなる。


そんな俺に気付いてか、正面から隣へとお前が移動する。


それを合図に俺は声を出さないようにしながらも思い切り泣いた。