「数学なら教えますよ」


「本当ですか?」


宮瀬さんが取り出したのは高校数学と書かれた教科書



「僕数学は得意ですよ」


机に早々と教科書を開きルーズリーフも取り出し私にシャーペンを握らせた



「えと………」



第1問から戸惑う私



「どうしました?」


「あの……」



「はい」



「Xって何ですか?」


数式に出て来るXを指さし尋ねる


「Xは数字が分からない場合の仮の姿だと思えばいいかと」



馬鹿な質問でも宮瀬さんは丁寧に答えてくれた



そんなこんなで1日は過ぎ少しだけ宮瀬さんに近付けた気がした