「憂斗……」


「あ?」


「ありがとう」



急に真面目にお礼なんか言うから動揺したせいか




「お前がんなこと言うなんて……雨でも降るのか!?」



「人の真心返せ」




つい、からかってしまう




「でも本当に感謝してるんだからね!」



「何で?」



千雪は階段から腰を持ち上げ




「憂斗居なかったらきっと私、落ち込んでたままだった」



先程の涙を隠す笑顔ではなく


心の底からの笑顔に




心臓が大きく跳ねた