「千雪………」



俺の小さな声に反応し千雪は慌ててゴシゴシと袖で涙を拭き取り




「あれ?憂斗。どしたの?」




いつもの笑顔を見せた




無理している




明らかだった




千雪は人に弱みを見せない



剣道をガキの頃からしていて相手に隙を見せないというのが癖になっているのもあるが




千雪は何があっても笑顔だった



「泣いてたろ」



「誰が?」



「お前」



「私?あぁ……今欠伸したから」



ごまかす千雪にイラつきを感じた