先見の巫女



朱い鳥が目の前を横切る。それを目で追っていると、自然と涙がこぼれた。


「羨ましい………」


あの鳥が羨ましい…
自由で、行きたい所へ飛んでいける。


「あたしも…あの鳥のように自由になりたい…」


抱えた運命も全てから解き放たれて自由に…


生きたい場所を自由で選んで、自由に羽ばたきたい。


「なら俺が連れてってやる」


フワッと後ろから誰かに抱きしめられる。


振り向かなくてもわかっている…この人は…


「す…ざく……」


朱い朱雀のような少年…