先見の巫女



「ここは…?」


目が覚めた雛菊は怯えたように晴明の顔を見る。


「私の屋敷です。今日から共に暮らすのですが…」


晴明が笑顔を向けると、雛菊は涙を浮かべた。


「私に笑顔を向けてくれるの…?」

「え…?」


そんな雛菊の問いに、晴明は首を傾げる。


「父様も母様も…私が普通じゃないって知ってから笑顔なんて見せてくれなかった…」


心が寂しくて冷たいんだ…


色んな事が悲しい……