「…話しは…聞いていましたよ…」 朱雀は悲しそうに睫毛を伏せ、一羽の蝶々を指へとめた。 「私の式が見ていたようだ」 蝶々は一度晴明様の指に止まってすぐにどこかへ飛んでいってしまった。 「俺は…あいつが純粋に心配だったんだ…。だから、あいつが自分の事を大切にしてない発言が許せなくて…」 「それは…違うんだよ」 晴明様は首を振る。 何が…違うんだ…? 「あれは…雛菊がまだ11だった時。始めて翡翠龍の巫女として目覚めた…」 雛菊が…初めて力を手にした瞬間… 彼女の悲劇の始まり…