先見の巫女



「違う…あなたが望むのは愛した人と育むはずだった幸せ。あなたが取り返したい人は…楓さん…」


その言葉に、桜鬼は目を見開く。


『…もう…戻らぬ…。楓は…もうっ!!!』


刃の花びらがこちらへ向かって飛んでくる。


「雛菊!!下がれ!!!」


朱雀があたしの前に出る。その朱雀の腕を掴んで何も言わず首を振った。


“大丈夫だから”

そんな思いを込めて、朱雀の前に出る。


「…時を越え来たれ…」


風が巻き起こり、あたしを包み込む。


「東を守りし四神、
青龍の御霊…翡翠龍よ…」


雲が分厚くなり、暗い雲に龍の影が映る。


「我を依りましとし降臨せよ!!」



その声と同時に、翡翠の光が天から一直線に落ちてきた。


光が弾けた瞬間ー…


グオォォォォォッ!!!

物凄い咆哮と共に地響きが起こる。そこには、翡翠色に輝く龍が君臨していた。