「雛菊っ!!」
帝が抱き着いてくる。まだ幼い帝には、この祭も退屈で仕方ないのだろう。
「帝、桜が綺麗ですね」
「雛菊の方が綺麗だ!」
「まぁっ」
幼い帝からは想像出来ないような言葉に驚きをかくせないでいると、そんなあたしを見て晴明様はクスリと笑った。
「…晴明っ」
笑わないで下さい。そんな思いを込めて晴明様を見上げると、そのすぐ後ろに見知った人物がいた。
「あっ……朱雀…?」
声に出して言うと、名前を呼ばれた人物がこちらを振り返った。
「雛菊…雛菊!!」
朱雀は長く一つに束ねた朱髪を靡かせてこちらへ走り寄ってくる。
「朱雀っ!!」
「雛菊!!」
二人手を取り合って互いの存在を確かめ合う。


