先見の巫女



「…あたしの答えは決まっています」


あたしはきっと迷わず翡翠龍を降ろす。でも…


「でも、それは最後の手段です。あたしは、もう二度と晴明様を泣かせないって決めましたから…」


あたしが死にかけた時、晴明様は泣いてあたしの手を握っていた。


一睡もしないでずっとあたしの傍にいてくれた。


だから…もうこの人を悲しませる事だけはしたくない。


「晴明様を一人には出来ませんから」


そう言って笑うと、晴明様もホッとしたように笑顔を浮かべた。