先見の巫女



「…はっ…くうぅ……」


映像はそこで途絶え、代わりに酷い疲労感だけが体に残った。


「雛菊!落ち着いて、ゆっくり息を吐くんだ」


晴明様は優しく背中をさすってくれる。


「…っ…ふぅー…」


自分を落ち着かせてから晴明様にさっきの先見を全て話した。


「…桜鬼……まさか…あの桜の中で何百年も眠り続けていたとは…」


晴明様は桜鬼の事を知っているのかな…?


人を襲っていたあの男鬼はとても恐ろしかった。


でも…それと同時にとても寂しそうで辛そうで…


可哀相だった…