先見の巫女



「神子様!!」


一人で庭に咲く桜を見上げていると、翠が私を呼ぶ声がした。


振り返ればやっぱり翠がいる。その長い翠色の髪をなびかせながら私に走り寄ってきた。


「翠…そんなに急いでどうしたの?」


そう尋ねれば翠は無言で私の手を握った。


「翠?」


何も言わない翠に羽優は首を傾げる。


「…神子様…
やっぱり此処へ残って下さい。黒闇龍の事は私に任せて」


そう言う翠に羽優は笑みを浮かべながら首を横に振る。


「…翠……
私はね、あなたが好きよ」


突然の告白に翠は目を見開く。そして…


―ガバッ


翠は羽優を力強く
抱きしめた。