先見の巫女



「…この地に這う
邪の影りよ…」


瞳を閉じ、儀用の衣を纏い神聖な静寂を身に感じながら言霊を口にする。


「…我が言霊は真なりて
偽り為らず」


神気が体から広げた両手に集まっていく感覚が分かる。


「…払い給え…世者神々…
払い給え…世者神々…」



浄化の力よ………



そう口にした瞬間ー…
光が羽優から溢れ弾ける。


それは一瞬にして東の地から邪気を一掃した。


周りから「おぉっ」と声が漏れる。


「これが青龍の神子」

「神の血を引く者の力…」


神官達から発せられる言葉に翠は胸が締め付けられるような痛みを感じる。


神の血を引いていたとしても、彼女は女だ。
そして…いつかは遠くへと逝ってしまうお方…


その事実が酷く胸を
締め付けていた。