「御意。
我が身は京を護る刃となり盾となりましょう。
それを今誓います…」
翠は片膝を地面につけ頭を垂れる。
「では翠…
あとは頼んだぞ……」
翡翠龍の言葉に、翠はまた頭を垂れた。
「翡翠龍?
翠に何か頼み事をしたの?」
"分からない"という顔で羽優は翡翠龍を見上げる。
「今日から昇天の日まで…
お前を護るよう頼んだのだ。
お前は妖にも狙われやすいであろう?」
「私だって戦えるわ!
私は青龍の神子よ。
妖くらい退けられるわ」
翡翠龍と黒闇龍を産んだ青龍が人との間にも子を儲けた。
それが私…羽優だ。
だから翡翠龍と黒闇龍とは兄妹という事になる。
黒闇龍に与えられたのは邪を滅する『破壊と消失』の力…
翡翠龍に与えられたのは正しき道を示す『時巡り』の力…
羽優に与えられたのは人と神を繋ぐ『浄化』の力と
『依りまし』の体…
「それに…
翠は南を護る朱雀の使い手…
南の地を離れ私を護るなんて役目の放棄だわ」
「羽優……
朱雀や玄武、白虎はもう使い手を見つけておる。
我も黒闇龍も…そしてお前も使い手を選ばねばならん…」
翡翠龍の言うとおり…
私達はまだ使い手を選んでいない。
黒闇龍の破壊の力、翡翠龍の時巡りの力…
そして私の…
浄化と依りましの力…
「こんな時にお前を護ってやれるほど余裕もなくなってしまうであろう…
その為の護衛だ」
「…はぁ……
分かりました」
そこまで言われたら仕方がない。私もこの世界に青龍の神子を継ぐ人間を見つけなければいけないし…
自分の今の使命で手いっぱいになってしまう。
「よろしくね、翠」
翠に笑顔を向けると、翠も強く頷き笑顔を返してくれた。


