朱い鳥とあの青年が何故かかぶって見えた。会える気がする… 「はぁっ…はぁっ…」 着物が重くて走りにくい。裾を持ち上げて全速力で走る。 しばらく走っていると、鳥の姿が消えてしまった。 「あれ?」 立ち止まって周りを見渡す。朱い鳥の姿がない。 「あ…此処は………」 肩で息をしながらもう一度周りを見渡すと… 「信じられない……」 先見で見た橋の真ん中に立っていた。まるであの朱い鳥に導かれたかのように。