「雛菊……」 こんな闇夜にも… 月は美しく輝いている。 「お前は…今何処にいる? 俺と同じ月のの下にいるのか……?」 なぁ……… 雛菊…頼むから… 「帰ってこいよ…雛菊っ…」 もう一度お前に会えたら… 絶対に離したりしないのに… だから…… 「お前をこの手にもう一度…」 抱きしめる為に… 取り戻すから…… 「待ってろ…雛菊………」 朱雀の小さな呟きは夜空に溶け合うようにゆっくりと消えていった。