「…時を越え来たれ
東を守りし四神、
青龍の御霊…翡翠龍よ…
我を依りましとし降臨せよ!!」
あたしの体から感覚が消えていく。現れたのは翡翠の龍だった。
『お前は…翡翠龍か……?』
『久しいな…奥狐よ…
何百年ぶりか…』
翡翠の龍は鋭い目付きで奥狐の神を見据える。
『まさか…その娘……
翡翠龍の巫女か…?』
奥狐は信じられないと言わんばかりに鋭い瞳を見開く。
『…奥狐よ…お前の人を正し導く使命は歪んだモノに変わってしまったようだな……』
翡翠龍は悲しげな声で呟いた。奥狐は東の山に属する青龍の地の神だ。
歪んでしまった理由はただ一つ。
『東に片割れである黒闇龍がいなくなったせいよのう…』
もともと二神で治めていた地を一神で治めるなど目の行き届かない所が出てきてしまうのだ。
黒闇龍がもたらした魑魅魍魎から発せられる負の力は邪気となり神を惑わせる。
それ故の惨事だったのだ…


