「…っ…はぁっ………」
過去見を終わらせ、肩で息をする。
酷い…光景だった…
あんな…あんな残酷な…
「雛菊!!」
ガシッと誰かに肩を捕まれる。顔を上げれば朱雀が心配そうに顔をのぞき込んでいた。
あたしは何度朱雀に心配かけているんだろう。
「…大丈夫」
笑顔を見せれば朱雀はホッとしたように眉間のシワを解いた。
「あれは…この山の神、奥狐の神です。あなた達が傍観を役目とするよう言い渡した神」
「天狗は住家である山の神に仕えるのがしきたりですからね。それが事実なのでしょう」
あたしの言葉に晴明様はそう付け加えた。
「…そんな…奥狐の神が…我等を…」
長は顔を真っ青にして信じられないと首を振っていた。


