「それから・・俺は何もわからず何も教えて貰えずに家で待機しているように言われたんだよ・・」

旦那はぽつりぽつりと話す
「母さんの遺体も戻って来なくて・・お前達も帰って来なくてずっと待ってた・・そしたら・・いきなり家に・・感染センターからきたって奴らが来て・・巧が・・感染源だから・・とか言われて・・」

旦那はゆっくり思い出す様に話している

「血液採取する・・感染の疑いがあるって言われて・・それから・・」

旦那はぶるぶると震え出した

「幼稚園の同じクラスの友達の親だって奴らがきて・・・!」

「・・?」

「お前の子供のせいで・・俺達の子供が死んだ・・って・・子供を返せ・・許さないって・・」

「そんな・・!」

「毎日毎日くるんだ・・泣きながら返せって言われたり・・子供殺してお前も死ねって言われたよ・・」

「嘘・・!」

「俺は感染してなくて・・それも気に食わないらしいけど・・俺もう・・限界だ・・!」

「もう無理だ・・!」

「無理って・・!ねえ!巧のせいになってるの?!」

「巧のせいだろ!」

「巧だってなりたくてなったわけじゃないのよ?!これから一生監禁されるかもしれないんだよ?!それなのに!巧だって被害者じゃない!」

「被害者じゃないんだよ!あいつらには巧は加害者なんだ!逆ならお前どう思う?!どう思うよ?!」

「わかるよ・・!わかるけど!」

「巧が・・死んだら!誰かにウイルスうつされて死んだら!お前いえんのかよ!感染源も被害者なんだからっていえんのかよ!!」

「!」

涙が・・止まらない

確かに逆なら私も責める
被害者なんて!って思うよだけど!!

「母さんも・・巧のせいなんだよ・・」

旦那の言葉にはっとする

「これから毎日・・罵られ非難されて生きていく勇気は俺にはないよ・・母さんの事も・・多分頭から一生離れないだろう・・」

「なに・・」

「俺はもうやめたい・・オマエラと家族をやめたいと思ってる・・」