「お待たせー!」
急いで駆け寄ると、
隆太はもうタバコを吸い終わったらしい。
「美空さんのせいで、まじでギリギリですよー」
携帯で時間を見ながらが隆太がぼやく。
携帯の光が隆太を照らした。
ずきっ。
ライターの光に照らされた隆太をあんなに綺麗だと思ったのに、
携帯の光で照らされる彼は、見たくなかった。
「ほんと、ごめん!走ろっか?」
あたしたちは小走りで走り始めた。
あたしの終電まであと、三分。
タッタッタッタ。
二人の歩幅が揃ってる。
でも、心は完全に一方通行。
隆太の心は、あたしに1mmも向いていない。
「‥うわぁ!」

