「‥いてててっ!」
「‥ちょ!何やってるんですかー」
つまずいて、膝をついたわたしに、
呆れた声が上から降ってきた。
「‥いったー!」
なんとか、立ち上がったけど、
手のひらと、膝がジンジン痛い。
めずらしくショートパンツなんて、はくんじゃなかった。
「ほんっと、どんくさいですね」
嫌味たっぷりに言われる。
「‥分かってるよーだ!」
ぷんっ!
ほっぺをふくらまして、ぶさいくな顔で言う。
まだ痛みが残る手を、パンパンとはらった。
ちくちくと、痛みが走る。
「やば!終電!」
時計を見ると、ギリギリの時間。
「りゅー!急がないと!」
走り出そうとすると、ぐいっと腕をつかまれた。

