「それって、大事な話?」



もうその君の瞳からは逃げられない。



そう思った僕は、全身の力が抜けていくような感覚に包まれる。



そして、君のことを、ゆっくりと見つめ返した。



僕が、傷つくのを恐れていたら、



きっと君は前に踏み出せないんだよね。



「あのね、言わなきゃ……言わなきゃって思っていて、ここまできてしまったんだけど……」



風になびく長い髪を、押さえるようにして、



君の細い腕が、当たり前のように僕から離れていく。



「どんな話??」



分かってるくせして、



思わず出てしまった言葉に、僕は後悔した。