『…………!?』


――え?


『な…な……?』


俺は目を見開いて自分の右腕を凝視した。


右腕が…


俺の右腕が自分の意思とは関係なく勝手に上がっていく。


『な…なんだよこれ!』


驚きのあまり口をぱくぱくさせる俺に


「どわ~!!ほんまに見えとるんかいな!!」


男は額に手を当てて、オーバーリアクションをとった。



『っ…てか、お前だれだよ!』


驚いてるのは俺の方だ。


人間なのに空を飛んでるし…


人間なのになぜか俺と話しが通じるし…


俺は混乱しながら袴男をにらみ上げる。


「それは俺の台詞やねんけど!あり得へん~なんで君、俺が見えるん?!」


袴男も負けじと言い返してくる。


そして興奮ぎみに胡座を崩すと俺のすぐ近くまで顔を寄せた。


「なぁ、なんで俺が見えるんや?」


『そんなの…俺だって知らねぇよ!てか美代に何の用だよ!』


近寄る袴男から美代を守るように俺は威嚇した。