は…ぁ…?


てか…浮いてるし…


『……………』


信じられない光景に俺はただただ呆然と固まっていた。







――その時





「お??」


頭をかきむしりすぎてくしゃくしゃに爆発させた男と俺の目が合った。


『………!!』


瞬間的に俺の胸がドクンとなる。


そんな俺を見て袴男は首をかしげた。


「え?まさかそこのウサちゃんもしかして俺のこと見えてはる?」


男は俺の顔を確かめようと


胡座の上半身を前のめりにさせて俺に顔を近付けてきた。


『…………っ』


俺は生唾を呑み込みながら、
静かに目線を横に反らした。



ショックがデカすぎて…


幻覚を見てるのかもしれない…



「あ?ちょっとシカトとかやめてや~!聞こえてるんやったら右手あげてみぃ?」


目を反らす俺に袴男はそう言うと


指をパチンッと大きく鳴らした。