俺のせいだ…
俺さえ今日一緒にいなければ、
せめて死ぬことは
なかったはずなのに――…
「あっちゃ~、えらい派手にやっとんなぁ…若いお嬢ちゃんがお気の毒に~」
――暗い絶望の中
ざわめく事故現場で俺が美代の体に顔を埋めていると
場違いなトーンの関西弁が頭上から聞こえてきた。
「え~と、7月○日16時42分…。即死やんなぁこれはどうみても。うんうん、あ~と現場は…」
『…………』
――は?
なんなんだ?
俺がゆっくりと顔をあげると
美代の上の空中で
胡座をかいて分厚い台帳に何かを書き込んでいる男の姿があった。
「え~と、死亡原因は交通事故…あ~もう今月むっちゃ忙しいしほんま頭パニクるわぁ」
白い袴姿
髪は金髪で整った顔をした男。
男は顔に似合わない関西弁を、ぺちゃくちゃと喋りながら
金髪の頭をくしゃくしゃとかいた。



