―――え?


マジでなんで?


『美……代?』


俺は体の痛みも忘れて、美代の体に恐る恐るすりよった。


『美代…?おい、美代?』


なんで美代が倒れてんの?


なぁ、美代?


答えろよ


俺が美代にすり寄ると、美代の体はいつものように暖かくて


だけど


どんなに待っても美代はいつものように優しく俺を抱きしめてくれなかった。


『おい…美代、起きろよ』


俺は美代を呼ぶ代わりに頬をなめた。


いつもこしょばいと言って笑ってくれる美代。


だけど今は


美代の笑顔の代わりに鉄の味が口の中に広がった。


『……………』


小さく震え出す俺の体。


『……美代っ!おいったら!!』


俺は美代の腕を前足で大きくゆすってみた。


『いい加減起きろよ!しゃれになんねぇから…!』