その様子を見ていた豚の太郎は震えていた。



怖いブゥ…



太郎は今この雰囲気と、

そしてマサルが本当に消えてしまうかもしれないという事に震えていた。


自分の出る幕は到底ない雰囲気だが、もし失敗すればマサルは助からない。


何か…何か自分に出来ることはないだろうか…








いつも弱気な僕は、マサルに憧れていたブゥ…


僕を守ってくれていたマサル


またマサルと一緒に遊びたい…


大好きなマサルの為に…

この僕が出来る事。






太郎は勇気を振り絞り震える声で叫んだ。



『ぼ…僕の力も使うだブゥ!!』


「……!!?」


伸太郎は太郎を見た。


『僕も…マサルのためには何かしたいんだブゥ!!』


太郎がそう叫んだ瞬間、


ぽわっ…と太郎の体から優しい光の灯が浮かびあがった。


蛍のようなその美しい光に、全員の目が奪われる。


その光はふわふわりと舞うとマサルの体に優しく染み込んだ。


「…!!!」


それを見た伸太郎は驚いた。


まさか…こんな方法があったとは


そして思った。


小さな力だけれど…この力を足せばマサルを確実に救えるかもしれないと。