その時







ゴロゴロ……




急に空が雲がかり、波が荒くなった。


森の木々は嵐がきたかのようにざわめき立ち、無人島全体が小刻みに揺れた。


その変化に動物たちは怯え、美代やヒゲ男も不安にかられた。



「はは…あのクソジジイ…怒ってやがるな…だか、これだけ島の周りに動物がいりゃあこれが限界だろ…」


伸太郎は汗ばみながらニヤリと笑った。







「く…なんやこれ…むっちゃ力が吸われるやんかぁぁ…ッ」


術による内側からの強い引力に逆らうように山吹は踏ん張った。


普段おちゃらけた山吹だが、その余裕は完全に無かった。



「まだまだだ!本来この禁術は最上級4人分の力がいる!これじゃあ足りないッ…!みんな死ぬ気で踏ん張れ!」



「クルック~…!!」



「ぐあぁぁ…体が痛ぇ…!」



「ぬ………ぅぅ…」