「始めに、この術は100%成功する保証はない。力が及ばなければ、失敗もありうる」
「……………」
伸太郎の言葉に3人の天使は頷いた。
「では…今から術を始める。まずはクソジジイの邪魔が入らないよう結界を張る」
パチンと伸太郎が指を鳴らすと、無人島を包む空気全体がピンと張りつめた。
気圧が急激に変わり、美代やヒゲ男は耳に違和感を感じた。
続いて伸太郎は砂浜に手早く魔方陣を描くとその中心にマサルを寝かせた。
そしてそれを囲むように4人が配置する。
「…………」
美代とヒゲ男、動物たちは息を飲みその様子を見ている。
敵である武装集団たちはメイによって全員眠らされていた。
「みんな、相当キツいから頑張れよ…」
伸太郎の言葉と共に
ぽうっ…
魔方陣が光りマサルの体がふわりと浮いた。
そして伸太郎が呪文を唱え始めると同時に内側からぶわっと風が吹き4人の天使たちの髪がなびいた。



