「ああ。だけど本当にいいのか?」


「ああ。マサルの為なら喜んで手を貸そう。それに禁忌ならもう既に犯しておる」


メイは静かに美代を見た。


「人間の美代や夏美と親しくなった時点で…私は天使失格だ」


「え………?」


「情が移るでな…本来は避けるべき行為であった」


「メ…メイちゃん…」


「しかし移ったものは取消せぬ。美代が泣くのは私も嫌なのでな…美代とマサルの為に私も手を貸そう」


「……………」


メイの言葉に美代は涙をためて唇をかんだ。


「メイちゃん…ありがとう…本当にありがと…」


「泣くでない。マサルが悲しむぞ」


「う…ん…」


メイの微笑みに美代も小さく笑った。