この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「パ…パ…それ…ほんと?」


伸太郎は優しい視線を美代に向ける。


「あぁ。だから美代は安心してパパに任せておきなさい」


「………!!!」


美代の瞳からはまた涙が溢れた。


「ただし…この術には俺含め天使が最低4人は必要なんだ」


「4人…ってことはあと1人足りひんってことか?」


「そうだ。俺はもう天使との繋がりがないから…銀か山吹の知り合いで協力してくれる奴が必要だ」


銀と山吹は顔を見合せた。


「ポよ…だけど禁忌を犯すと言うことは…それなりの罰則が待ってるっクル~…」


「せやな。さらに封印禁術ったら、最低でも追放、最悪消滅かもなぁ…」


山吹はブルルと震える真似をした。



「俺らはともかく…そんなん誰が好き好んで協力してくれるやろ?見返りがたこ焼くらいじゃ望み薄やで」



「ペナルティに関しては後で俺からもかけやってやるよ。それでも消滅とか言いやがったら俺がクソジジイを消滅させるから安心しろ」



「い…いや、言ってることが皆めちゃくちゃっポよ」



「おい、銀さん顔広いんやし、なんかすぐOKしそうな知り合いいないんかよ?」



「時間ももうあまりないぞ」


「ポ…ポよ~…」