この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

そして伸太郎はぽかんとこの光景をみていた銀と山吹に顔を向けた。


「君たちにも2人が世話になったな」


「…!!」


銀と山吹は唾を飲み込んだ。


「み…美代ちゃんの親父さん…やて?せやけどオッサン…あんたはまるで…」


山吹の声に、伸太郎は口に指を当てて小さく微笑んだ。


「そっから先は自分の口から言っていいか?」


「へ……?」


伸太郎は美代を見つめた。


「美代。パパの大事な話を聞いてくれるか?」


「…ひっく……大事な…話…?」


「あぁ」


伸太郎は美代の頭を愛しく撫でる。


そして伸太郎は全員に語り始めた。








「まぁ単刀直入に言うと俺も天使だ。いや、正確にはもう仕事してねぇから元天使かな」


「……!!!」


「階級は最上級。バリバリ神様直属の側近だったんだが、2千年程前にちょっくら下界に降りてきたんだ」


「………!!?」


全員が目を丸くしていたが美代は特に驚いていた。


「え……………?パパ…?」




「すまんな美代。美代は本当はパパの子じゃないんだ」


「………!!!」



「だけど、本当に美代のことは愛しているからそれは信じてくれな?」


「…………っ」


伸太郎の言葉に美代はうつむいた。