この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐


「おぉし、太郎達そこを空けてくれ~」









「?!…パ…パ…?」



美代は近づいてきた伸太郎を見上げた。


「な…んでここに…?」


「ん?そりゃ、おめ~俺の可愛い子供達のピンチだからな。みんな連れて飛んできたぞ!」


伸太郎は優しい顔で美代を見た。



「美代…怖かったな…よく頑張った」



伸太郎はそう言いながら美代の頭にぽんぽんッと手を乗せた。


「……!!!」


父親の言葉に美代の顔が崩れる。



「パ…パパァ…マサルさんがぁ…う…あぁ…」


「あぁ…辛かったな」


「……ッ」


美代は伸太郎の胸にすがりついた。


「うあぁぁぁあぁん…ッ」


伸太郎はそんな美代の背中を優しく撫でる。



「パパ…パパァ…!!」


そして伸太郎は美代の腕の中で、眠るように目を閉じたマサルにも優しく微笑んだ。


「マサルもよく頑張ったなぁ…最後まで俺との約束…守ってくれたんだなぁ」