この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

山吹は拳をひらりと交わすと、男に足を掛けた。


そして勢いそのまま砂浜に倒れ込んだ男をねじ伏せた。


周りの武装集団は、固まったまま動けずにいた。


「ぎ…あ…」


『や…山吹!!』


「この前、映画で見てから一回こうゆうんやってみたかってんな~」


山吹はふんと笑うと更にこう言った。


「お前もマサルさんみたいにいっぺん死ぬぐらい痛い目おうてみるか~?」


『山吹…ッ!!!』


本気で叫ぶ銀。


しかし銀の声が届かないのか山吹は男に向かって拳を振り上げた。





「魂の処理はしたるさかい安心せぇ」















バシッ


一瞬の出来事。


山吹の振り上げた手を銀が掴んだ。


「本気で怒るっポよ」


人間になった銀は山吹を睨む。


「マサル氏がやられて気が収まらないのはわかるっクル~…だけど、僕たちは天使っポ」


真剣な銀の目に、


「……はいはい、ほんのお茶目な冗談やがな」



山吹は唇を尖らせると、ねじ伏せた男の後頭部に軽い手刀を落とした。


「う…」


男は小さく唸ると気を失った。