この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「う…うぉぉぉ―!!」


固まっていた武装集団は息を吹き返したように動き出す。


そして武装集団の一人が手榴弾の安全ピンに手をかけた。


「そ、そうだ…こうなりゃ一匹残らず狩ってやる!
まずはチューチューうるせぇこいつらからだッ!」


手榴弾の男はそう叫ぶと


木々の間からこちらの様子を見ていたネズミ達を見た。



「…や…やめて―…ッ!!!」


美代は悲鳴をあげた。


『ちゅ…忠兵衛ッ!!』


ボスも手榴弾を阻止すべく、咄嗟に男に向かって走り出した。


しかし


男はニヤリと笑うと手榴弾をネズミたちめがけて投げ捨てた。


手榴弾はネズミ達に向かって、放物線を描く。


それが危険なものとは知らないネズミたちは、ただそれを見つめていた。


ボスの悲痛な叫び声。


美代は耐えきれずに顔を手で覆った。


「……ッ!!」


俺も目を閉じた。