俺の疑惑と期待を感じとった銀は最後に付け足した。


『これは作り話っポ』


『え………?』


――作り話??


『クルック~。ピノキオはただのおとぎ話っぽ。だけどマサル氏、希望をすてちゃ駄目っぽよ』


銀はベランダの柵にとまりながら空を見上げた。


『言葉が全てじゃないっポよ。種族よりも何よりも大切なのは気持ちっポ』


『…………』


『例えうさぎと人間でも気持ちはきっと伝わるっクル~』


『…………銀』


俺が銀を見上げると銀は大きく頷いた。


『マサル氏がんばるっクル~!』











銀の励ましに、俺は元気を取り戻した。


そうだよな…


言葉は伝わらないけれど、俺が美代にできることは何かあるはず。


きっと気持ちは伝わる。

この気持ちだけは伝えたい。