『マサル氏~良い知らせっぽよ~』
―――数日後
美代がいない昼下がりのベランダで白鳩の銀が絵本を運んでやってきた。
どこかで拾ったのだろうか、
所々が破れてボロボロの絵本。
『なんだこれ?』
表紙には鼻の長い男の子が座った絵と題名らしい文字が書いてある。
俺は言葉は理解できるがさすがに文字は読めない。
『ピノキオって本らしいっぽ』
『ピノキオ??』
『クルック~、僕の知り合いに山吹って男がいて、そやつに頼んで内容を読んでもらったんっポよ…』
銀の話しでは―――…
ピノキオという人形が、人間になりたいと強く願っていたら、本当に人間になれたという物語らしい。
銀に人間の知り合いがいたのにも驚きだが
その物語にも驚きだった。
人間になる――…?
なれるのか?



