そんな美代を見つめながらふと思い出す。


俺にシロツメ草の編み方を教えてくれたのは、元々は美代だった。


美代がまだ中学生の頃


当時、よく家の近くの森に俺や他の動物を連れて遊びに行ってくれた美代。


あの頃の俺はまだ子うさぎで


拾われたばかりで、まだ新しい環境に馴染めていなかった。


そんな俺を元気付けるために


森に連れ出して美代はよく遊んでくれたんだ。


“元気がでるお守り”


もう枯れて無くなってしまったけど、美代はそう言って俺にシロツメ草の首飾りを作ってくれた。




―――パサッ


俺が物思いにふけっていると、ふいに頭に何かが乗せられた。


『あ?』


思わず俺が首をふると、シロツメ草の冠がパサリと落ちた。